
SDGs推進について
SDGs推進について
SDGsとは
2015年9月、国連本部で150ヵ国以上の加盟国首脳が参加した国連サミットが開かれ、将来の世界の在り方を協議しました。その席で、「誰一人取り残さない」というスローガンのもと、いかなる場所や状況にある人でも等しく対象とする17の世界共通目標が全会一致で採択されました。これが「SDGs(エスディージーズ)」です。「Sustainable Development Goals」の頭文字を取ったもので、「持続可能な開発目標」と訳されています。
具体的な道が示されているSDGs
SDGsは、地球規模の経済・社会や環境等、多岐にわたる問題を解決するために生まれた指針です。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「住み続けられるまちづくりを」など、2030年までに達成すべき17の目標と、それらを実現しやすいように細分化した169のターゲットを軸に構成されています。これは、生活困窮者支援が創設の原点である済生会が「施薬救療の精神」のもと、医療・福祉分野で取り組んできた事業そのものです。
既に世界で広がり始めたSDGs
SDGsの影響力は世界中で広がり始めています。それはSDGsが開発途上国の課題ばかりではなく、先進国が抱える格差の解消・働きがいの創出・成熟期の経済成長などの問題までも包括している普遍的な目標だからでしょう。SDGsは国やわたしたち社会福祉法人、地方自治体、企業、教育機関、NPO等だけではなく、国民一人ひとりが取り組んでいかなければならない課題です。
済生会におけるSDGsの意味
SDGsの中には、わたしたち済生会の事業ととくに関わりの深い目標が多数あります。これは、済生会が医療・福祉の分野で本業として真正面から取り組んできた活動や、第2期中期事業計画(2018~2022年度の5ヵ年計画)の中で取り組みを強化している事項と重なるものです。済生会で働く約6万人の職員がSDGsの精神を理解し、目標達成へ尽力することが求められています。
令和3年12月24日、済生会は「第5回ジャパンSDGsアワード 内閣官房長官賞」を受賞しました。詳しくはこちら(済生会本部HP)をご覧ください。
当院のSDGsの取り組み
福岡県済生会飯塚嘉穂病院では、すでに次のことに取り組んでいます。
取組項目 | 内容 | SDGs17項目対応番号 |
---|---|---|
ACP(人生会議) | 急な病気や事故により、いざという時、70%の人は自分でどうしたいか決めることができない状況になるそうです。ACP(アドバンスケアプランニング/人生会議)は、そんなもしもの時の「私のこころづもり」をあらかじめ元気なうちに周りの人と話し合っておくことです。当院ではこのACPを推進しており、たとえ療養が必要となっても、患者さんや地域の方々が心豊かに過ごせるようお手伝いができればと思っています。 | 3.11.17 |
慢性期疾患患者への支援 | 当院には糖尿病や関節リウマチ、慢性閉塞性疾患(COPD)など、継続的な医療支援を必要とする患者さんが多くいらっしゃいます。在宅酸素療法を行っている患者さんには訪問看護、糖尿病患者さんへの自己注射やフットケアに関する勉強会など、継続的な療養生活が住み慣れた場所で生活できるよう日々の看護に努めています。 | 3.4.11.17 |
無料低額診療授業 | 済生会は、社会福祉法第二条第三項に基づき、医療医の支払いが困難な方へ医療費の減免を行っています。この制度は、失業や病気などから働くことができず、経済的な理由で治療を受けることができない方に、安心して治療を受けていただくため、無料または低額で診療などを行うものです。お金がないことで医療をあきらめることがない地域を目指します。 | 3.10.11 |
なでしこホットライン | 地域の施設で看取りを行う職員の不安に対応する施設関係者専用医療相談窓口として、当院の医療や福祉サービスに精通した「地域包括ケア連携士」が相談に対応する「なでしこホットライン」を平成30年に開設しました。今後もこの地域の特性に応じた取り組みが持続できるよう、相談を受け付けていきます。 | 3.4.8.11 |
更生施設でのワクチン接種 | 平成28年11月より、更生保護施設(田川ふれ愛義塾)に入所している方々を対象に、インフルエンザの予防接種を無料で行っています。これまで生活困窮が要因で予防接種を行ったことがなかった方や、予防接種の必要性を考えたことのなかった方に対し、予防医学の大切さを学ぶ機会にもなっており、若年層の健康的な生活を確保し社会生活につなげていくための事業として実施しています。 | 3.10.17 |
健康教室(巡回診療) | 健康教室は平成19年に県立嘉穂病院から済生会へ移譲を受けた当初より、高齢者を中心とした20歳以上の地域住民を対象に当院職員が公民館等に出向き健康測定や医療相談、医師による講演を行うことで、地域住民の健康を守ることに寄与しています。 | 3.4.11.17 |
市民公開健康セミナー | 地域の皆様の健康増進を目的として、病気に対する知識を深めてもらうための医師の講演や各種健康測定を平成28年より実施しています。同時に医師による医療相談や栄養士による栄養相談等も実施し、今後も地域の方々の健康を支えることができるようなセミナーを開催していきたいと思います。 | 3.4.11.17 |
ペットボトルキャップ回収 | 当院職員からのみペットボトルキャップの回収を行い、イオン九州の「ペットボトルキャップで世界の子供にワクチンを届けようキャンペーン」を通じ、世界の子供たちにワクチンを届ける取り組みに参加しています。みんなで集めたキャップが病気で苦しむ世界の子供たちのワクチンに変わることで、一人でも多くの子供たちの笑顔につながるようにという思いで取り組んでいます。 | 1.3.10.11.17 |
ボランティア受入れ | 緩和ケア病棟では、病室から庭園を望むことができ入院患者さんの癒しとなっています。その整備には当院職員だけでなく、地元のボランティアの方々や、福岡県立嘉穂総合高校の生徒、先生の皆さんにもご協力いただきました。皆さんが作業されている姿は、当院が地域の皆さんに支えられていることを改めて実感できました。 | 3.11.15.17 |
学生の職場体験 | 地元の中学校や高等学校から卒業後の進路選択、働くことの意義を学ぶために職場体験の受入れを行っています。医療の知識や技術だけでなく、患者さんと一緒に力をあわせて治療にあたる経験を通じ、素敵な医療人を目指すきっかけになっていただけたらと思います。 | 3.4.8.11.17 |
訪問リハビリテーション | リハビリテーション部では、自宅に退院後の運動量の減少および活動範囲の狭小により運動能力の低下が懸念される患者さんのサポートを行っています。実際の生活の場面においてリハビリを行うことで、具体的なアドバイスができ、入院中に把握できなかった課題にも対応することが可能となります。患者さんが住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう努めていきます。 | 3.4.11.17 |
園芸で心も身体も元気に | 患者さんの中には、仕事や趣味で園芸を行う方がおり、退院後も園芸継続を希望される方がおられます。園芸を行わない方でも、育てた野菜を漬物作りや調理訓練で利用することで、家庭の知恵を活き活きと披露し楽しみを見つけるきっかけにもなっています。入院中は屋内にいることが多く、持続的なストレスが抑うつや認知機能の低下を招くことがあります。園芸を共に行い鑑賞することで、四季を五感で感じ、植物の成長をみる喜びを共有し、気分転換を図ることで認知機能の賦活にも努めています。 | 3.4.12.15 |
市民公開講座 | 当院では、地域の方々の健康増進に貢献するため、病気に対する 知識を深めることを目的として医師の講演や各種健康測定を、平成28年から平成31年の間に「市民公開健康セミナー」として計5回開催しました。身長・体重・体脂肪・血圧・血糖測定の他、血管年齢、骨密度などの測定や医師による医療相談、栄養士による栄養相談、肺機能検査、ロコモ体操、健康すごろく等を実施しました。今後も地域の方の健康に対する声に応えていきたいと思います | 3.4.11 |
フレイル予防活動 | 当院では、飯塚市が推進するフレイル予防事業に積極的に参画し、地域住民の皆様の健康づくりをサポートしています。当院では、健康教室やイベントの開催を通じ、フレイルサポーターの方々とともにフレイル予防の啓発活動にも努めております。一人ひとりの健康寿命の延伸を目指し、自治体、企業、住民の皆様と力を合わせ、地域に根差した取り組みを推進してまいります。 | 3.4.8.11.17 |
院内演奏会 | 患者さんにとって入院生活は日常生活や社会活動から切り離され、精神活動の低下や抑うつ傾向に陥ってしまう方も少なくありません。そのような患者さんの精神賦活の一助になるよう、季節感が味わえる曲や昭和歌唱などの懐メロ、テレビ等で聴き覚えのある最近の曲など幅広いジャンルや世代を超えた曲を毎回選曲しています。また、演奏している職員も自分の特技や趣味が生かして、患者さんや職員の喜ぶ顔を見ることができ、この活動にやりがいを感じています。 | 3.8.17 |
健康情報誌「なでしこ散策」 | 当院では年4回、健康情報誌を発行しています。これには健康に関する情報の他、行政からの情報等を掲載しています。地域にも設置しており、多くの方がより身近に健康情報を知ることができるよう工夫しています。 | 3.11.17 |
紫陽花いっぱい運動 | 職員の家庭等で枯れてしまった紫陽花を集め、緩和ケア病棟の散策沿いに植え替えていくものです。散策路が紫陽花でいっぱいになるまでには相当な年月が必要となりますが、入院患者さんや散歩する人たちの励みにや癒しになればと思います。 | 3.15.17 |
医工学連携事業 | 行政や近隣の病院と協働して、安全・安心な医療機器開発に取り組んでいます。当院は、飯塚メディコラボにも参画しており、医療実習生の受入れを行っています。取組が医療機器産業の促進や雇用確保につながることを目的としています。 | 3.8.9.11.12.17 |
済生会健康フェア | 当院では、2017年から「済生会健康フェア」を過去4回開催して おり、地域の方々に健康や医療に興味を持ってもらうことや、当院を知ってもらうこと、さらにはまちづくりに貢献することを目的として様々なイベントを行っています。今後も地域活性化につながり、皆さんに楽しみながら学んでもらえるイベントとして、開催できればと考えています。 | 3.4.8.11.17 |
エレトクによる消費電力量の削減 | エレトクとは、空調の室外機に制御基板を取り付け、稼働と停止時間の間に送風状態(制御)を設けて、快適温度を保ちながら、消費電力量の削減を実現するシステムです。電力を削減することにより、二酸化炭素の排出量の削減にも寄与しております。 | 7.9.13 |
落葉で腐葉土作り | 病院敷地内で腐葉土づくりを始めました。木々に囲まれた広い敷地の落葉掃除は大変ですが、その一部を籾殻や土を混ぜ込み半年から1年で自然発酵させ腐葉土にリサイクル。院内の庭や作業療法の菜園で活用する計画です。 | 3.15.17 |
伐採木の再活用 | 剪定や伐採で発生した丸太や太い枝の処分に手間がかかることが悩みでしたが、伐採作業を見ていた患者さんのご家族から「ストーブの燃料にしたいので不 要な材木を引き取りたい…」とのお話しがありました。材木には様々な活用例があることが分かり、これからは廃棄する材木は処分するよりも資源として活用することに取り組んでいます。 | 3.15.17 |
5ブロック地域包括ケアシステム推進協議会 | 「地域医療・在宅医療の充実」と「継続性のある医療・介護サー ビスの提供」を目的とし、飯塚市・嘉麻市・桂川町を5つのブロックに分けて、連携医療拠点病院を中心に民生委員をはじめとした地域住民、在宅医療・介護従事者と連携協議の機会を設け、地区単位での地域包括ケアシステムの構築を図り、誰もが安心して住み慣れた地域で過ごすことができる『住みやすい街づくり』を目指す取り組みです。当院は、『桂川町、筑穂、筑穂西、筑穂東地区』を担当しており、地域課題を見つけ課題解決につなげることが全国的にも珍しい取り組みと評価を受けています。 | 3.4.11.17 |
フード&学用品、日用品ドライブ活動 | 「あなたの小さなやさしさは、誰かの大きな未来になる」を活動 コンセプトとし、年4回実施しています。フード&学用品ドライブとは、自宅で使いきれない未開封の米やレトルなどの食品や、タオルやトイレットペーパーなどの日用品、鉛筆やノートなどの学用品を、集めて必要としている団体に寄付する活動です。寄せられた物品は、関係機関などに寄付させていただき、物価高騰の中生活が苦しい子育て世帯への支援に取り組んでいます。 | 1.3.10.11.17 |
SDGsアクションブックについて
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当院でのSDGsの取り組みを「SDGsアクションブック」としてまとめています。 >>ダウンロードはこちらから(PDFが開きます) |